[도쿄 리포터=토시키 아오야마] 지난 12월 31일, 연말 클래식 세계 최대의 축제인 '베토벤 전 교향곡 연속 연주회'를 도쿄 문화회관에서 감상했다.

이는 베토벤의 교향곡 9곡을 하루에 모두 듣는 마라톤 기획으로서, 20년 가까운 역사가 흐르면서 섣달 그믐날의 명물 기획으로 자리잡아 인기를 얻고 있다.

베토벤 교향곡을 하룻밤 사이에 모두 연주하는 기획은 클래식의 본고장인 유럽에도 없는 훌륭한 기획, 일본인의 근면한 국민성이 하룻밤 사이에 전곡을 연주 감상하는 소지로 되어 있는 것은 아니다.

금년은, 코로나화에 가세해 베토벤 탄생 250주년 마지막을 매듭짓는 연주회가 된 것으로도 특별하고 감개가 깊은 연주회가 되었다.

지휘는 불꽃의 마에스트로 "코바켄"의 닉네임으로 알려진 코바야시 겐이치로. 2020년 4월에 팔순을 맞이했는데 단 혼자서 전 9곡을 지휘하는 노익장을 과시했다.

오케스트라는 NHK 교향악단을 주체하는 프로 오케스트라 소속의 실력 연주자, 콩쿠르 입상자들이 중심이 되어 구성된 이와키 히로유키 메모리얼 오케스트라였다.

콘서트 마스터는, NHK 교향악단의 제1 콘서트 마스터이자 "MARO"의 애칭으로 알려져 있는 시노자키 후미모리. 시노자키는, NHK 교육 TV 「클래식 음악관」의 명물 MC로, 콘서트 마스터로서 저명한 존재이다. 악단의 간판 주자로서 탁월한 연주를 선보였다.

이와키 히로유키 메모리얼 오케스트라는 특별 편성의 슈퍼 오케스트라인 만큼, 어느 곡이나 훌륭하지만, 콘서트 후반이 되어, 한층 더 정도를 올려 오는 압도적인 연주를 피로해 주었다.

특히 베토벤 교향곡 홀수번인 5번, 7번, 9번이 드라마틱스하고 박진감 넘쳤는데, 지휘자인 고바야시 켄이치로는 전곡 완전 암보로 오케스트라를 자유자재로 열정적으로 지휘하는 모습이 인상적이었다. 특히 제7번 제3악장 즈음부터 심취적인 연주가 관객들의 호응을 얻었으며, 제4악장의 고조는 약동감이 풍부하고 훌륭했다.

마지막 제9번도 역시 멋진 연주였다. 합창 담당은 베토벤 전 교향곡 연속 연주회 특별합창단. 평소보다 소편성이지만 알갱이가 모두 모인 전신 전령의 합창이었으며, 영혼이 흔들릴 만큼, 베토벤의 불굴의 정신을 드러낸 2020년의 대미를 장식하기에 적합한 연주와 합창이었다.

베토벤 9번 교향곡 연주가 끝나자마자 많은 관객들은 기립박수로 이날 연주회에 경의를 표했다. 이토록 빠른 반응의 기립박수는 이전에 본 적이 없을 정도였으며, 연주자와 관객들이 하나가 되어 2021년은 좋은 해로 만들겠다는 강한 결의가 담겨 있는 듯 찬란한 광경이었다.

Photo:(C)Michiko Yamamoto

Beethoven is great! The 18th Silvester Symphony Cycle 2020

Thu, Dec 31, 2020 13:00 (Open 12:00)
Tokyo Bunka Kaikan Main Hall

Artists:

Conductor: KOBAYASHI Ken-ichiro
Soprano: ICHIHARA Ai
Alto: YAMASHITA Makiko
Tenor: NISHIKIORI Ken
Baritone: AOYAMA Takashi

 Orchestra: IWAKI Hiroyuki Memorial Orchestra
(Concertmaster: SHINOZAKI Fuminori)
Chorus: Musashino Chorus
MC: SAEGUSA Shigeaki
Planning: TAKAHASHI Yasuko, SAEGUSA Shigeaki

Program:

Beethoven: Complete symphonies
No.1 in C major, Op.21
No.2 in D major, Op.36
No.3 in E-flat major, Op.55 “Eroica”
No.4 in B-flat major, Op.60
No.5 in c minor, Op.67
No.6 in F major, Op.68
No.7 in A major, Op.92
No.8 in F major, Op.93
No.9 in d minor, Op.125 “Choral"

12月31日、年末クラシック界最大の祭典「ベートーヴェン全交響曲連続演奏会」を東京文化会館で聴いた。ベートーヴェンの交響曲全9曲を1日ですべて聴いてしまうマラソン企画も今年で20年近くの歴史が経過し大みそかの名物企画として定着、人気を博している。

ベートーヴェンの交響曲を一晩で全部演奏するという企画は、クラシックの本場であるヨーロッパにもない素晴らしい企画である。日本人の勤勉な国民性が、一晩で全曲を演奏・鑑賞できる素地となっているのだろう。

今年は、コロナ禍に加えベートーヴェン生誕250周年最後を締めくくる演奏会となったことより、特別な感慨深い演奏会となった。

指揮は、炎のマエストロこと“コバケン”のニックネームで知られる小林研一郎。2020年4月に80歳を迎えたが、たった一人で全9曲指揮した。オーケストラは、NHK交響楽団を主体するプロオーケストラ所属の腕利き奏者、コンクール入賞者らが中心となって構成された岩城宏之メモリアル・オーケストラ。

コンサートマスターは、NHK交響楽団の第1コンサートマスター、“MARO”の愛称で知られている篠崎史紀。篠崎史紀は、NHK 教育テレビ「クラシック音楽館」の名物MCで、コンサートマスターとして著名な存在。楽団の顔として卓越した演奏を披露した。

岩城宏之メモリアル・オーケストラは特別編成のスーパーオーケストラだけあって、どの曲も素晴らしいが、コンサート後半になり、さらに調子をあげてくる圧倒的な演奏を披露してくれた。

とりわけベートーヴェン交響曲奇数番である5番、7番、9番がドラマティクスかつ迫力満点。指揮の小林研一郎は、全曲完全暗譜で、オーケストラを自由自在に情熱的に指揮して
いた姿が印象的であった。特に第7番の第3楽章あたりから、入魂の演奏が観客から好評だった。第4楽章の盛り上がりは躍動感豊かで素晴らしかった。

そして、最後の第九も、これまた素晴らしい演奏だった。合唱を担当したのは、ベートーヴェン全交響曲連続演奏会特別合唱団。普段より小編成ながら粒が揃った全身全霊の合唱。魂が揺さぶられた。ベートーヴェンの不屈の精神を表した2020年の最後を飾るにふさわしい演奏と合唱だった。

ベートーヴェン交響曲第9番の演奏が終わるや否や大勢の観客がすぐさまスタンディングオベーションと大拍手で迎え、敬意を表した。これほど素早い反応のスタンディングオベーションは見たことがない。奏者・観客らが一体となり2021年はよい年にするとの強い決意が込められているかのような輝かしい光景だった。