[도쿄 리포터=토시키 아오야마] 지난12월 7일, 마린스키 오케스트라의 콘서트를 도쿄 문화 회관에서 감상했다.

지휘는 1996년부터 마린스키 극장의 예술 감독과 총재를 겸임하는 세계 최고의 지휘자인 발레리 게르기예프. 게르기예프는 2011년부터 차이코프스키 국제 콩쿠르 조직 위원회 위원장도 맡고 있다.

피아노는 올해 차이코프스키 국제 콩쿠르 피아노 부문 제2위에 빛나며 스타 가도를 약진하고 있는 후지타 마오.

게르기예프의 요청으로 갑자기 대역을 부탁받고 좀처럼 연주되지 않는 차이코프스키 피아노 협주곡 제2번에 도전, 결과적으로는 훌륭한 연주를 선보였다.

차이코프스키 피아노 협주곡 제2번은 제1번 이상으로 기교적으로 어려운 부분이 많고, 실내악적인 부분도 있는, 차이코프스키 다움이 풍성하게 담겨있는 명곡으로서, 음색의 깊이, 투명감 표현의 풍요 등 어떤 면에서 체크해도 약관 21세의 후지타 마오는 젊은 슈에이이라고 불러도 무방할 만큼의 매력적인 연주를 선보였다. 당연히 관객들로부터도 큰 갈채를 받았다.

게르기예프의 지휘에 의해 마린스키 가극장 관현악단이 가진 포텐셜이 최대한으로 끌어 내어졌던 이 날의 콘서트. 콘체르토 연주 후 솔로 앙코르로 선사한 그리그의 "사랑의 노래"도 매우 아름다웠다.

연주 후, 후지타는, "게르기예프 & 마린스키 가극장 관현악단과의 도쿄 데뷔. 많은 브라보와 박수에 감격했습니다. 갑작스런 대역 출연! 최고로 긴장했지만, 피아노 앞에 앉아서는 마에스트로와 오케스트라와 객석 여러분과 함께 노래하며 함께 뛰어간 기분이었습니다. 감사했습니다!"라고 감격의 소감을 전했다.

그 후, 후지타는 러시아의 상트 페테르부르크에서 게르기예프 & 마린스키가 극장 관현악단과 함께 짜릿한 어려운 곡으로 알려진 라흐마니노프의 피아노 3번 협주곡을 만원 관객 앞에서 선보였다. 소맷자락으로 오케스트라의 멤버들의 축하를 받는 등 엄청난 재능을 본고장 러시아 음익인들로부터도 인정받는 순간이었다.

향후, 가장 약진이 기대되고 있는 일본 젊은 피아니스트의 대표격인 것에 의심의 여지는 없을 것이다.

[Photo(C)千葉広子]

TCHAIKOVSKY FESTIVAL 2019
General Director: Valery Gergiev &
The Mariinsky Orchestra

The Complete Symphonies and Piano Concertos
Composed by Pyotr Ilyich Tchaikovsky

18:00 December 7 at Tokyo Bunka Kaikan
Piano Concerto No.2 in G major, Op.44 Mao Fujita, Piano
Symphony No.5 in E minor, Op.64

12月7日、マリインスキー歌劇場管弦楽団によるコンサートを東京文化会館で聴いた。
指揮は、1996年からマリインスキー劇場の芸術監督と総裁を兼務している世界最高の指揮者の一人であるワレリー・ゲルギエフ。ゲルギエルは、2011年からはチャイコフスキー国際コンクールの組織委員会委員長も務めている。

ピアノは、今年のチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で第2位に輝き、スター街道をばく進している藤田真央。ゲルギエフの指名で、突然代役を頼まれ、めったに演奏されないチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番に挑戦したが、見事な演奏を披露した。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番は、第1番以上に技巧的に難かしい部分が多く、室内楽的な箇所もあり、チャイコフスキーらしさがふんだんに盛り込まれ名曲なのだが、音色の深み、透明感、表現の豊かさなどどの点をとっても弱冠21歳の藤田真央は若き秀英と呼ぶにふさわしい魅力的な演奏を披露した。観客からも大喝采を浴びていた。

ゲルギエフの指揮により、マリインスキー歌劇場管弦楽団の持つポテンシャルが最大限に引き出されていた。

コンチェルト演奏後、ソロ・アンコールで弾いたグリーグの「愛の歌」も美しかった。

演奏後、藤田は、「ゲルギエフ&マリインスキー歌劇場管弦楽団との東京デビュー。たくさんのブラボーと拍手に感激しました。急遽の代役出演!最高に緊張しましたが、ピアノの前に座ってからは、マエストロとオーケストラと客席の皆さんと一緒に歌って、一緒に駆け抜けた気持ち。ありがとうございました!」と報告。

その後、藤田は、ロシアのサンクトペテルブルグに戻り、ゲルギエフ&マリインスキー歌劇場管弦楽団と共に、ドラマティックな難曲で知られるラフマニノフのピアノ3番協奏曲を満席の観客の前で、披露した。舞台袖にオーケストラのメンバーが祝福に来るなど、とてつもない才能を本場ロシアでも認められたようだ。

今後、最も躍進が期待されている日本人若手ピアニストの代表格であることに疑いの余地はないだろう。