[도쿄 리포터=토시키 아오야마] 신형 코로나 바이러스의 영향으로 2020년 3월부터 일본 전국의 오케스트라가 공연을 중단 및 연기 상황에 몰렸지만, 도쿄에서는 가장 먼저 도쿄 필하모닉 교향악단이 관객을 포함한 정기 연주회를 6월부터 재개했다.

6월의 정기 연주회는 특별 객연 지휘자인 미하일 플레트보프가 지휘할 예정이었지만,
코로나화로 인하여 러시아로부터 일본 방문이 불가능해져, 레지던스 지휘자의 와타나베 카즈마사가 훌륭한 대역을 맡았다.

3회 공연의 마지막 날인 6월 24일 산토리홀 공연을 찾아갔다. 곡목은 로시니 가극(세비야 이발사) 서곡과 드볼작 교향곡 제9번(신세계로부터)으로 휴식 없는 프로그램.

감염 예방을 위해 미리 우송된 좌석 번호 엽서를 들고 입장.

공연장 내에는 마스크 착용이 필수이며, 손을 소독하고 프로그램을 직접 픽업하는 방식. 그리고 만일을 위해, 종연 후에는 엽서에 주소, 성명, 연락처를 명기하고 회장을 뒤로 한다는 확약을 마쳤다.

연주는 악단원 전원이 오랜만에 리얼 관객 앞에서 연주하는 기쁨을 채운 것으로 형용수에 걸맞은 것이었다.

관객들도 실제 음악과의 오랜 만남에 마음이 들떠 오케스트라와 객석이 하나가 되어 만들어 내는 라이브 음악 체험의 둘도 없는 모습을 떠올린 듯했다.

앙코르 없이 1시간 남짓한 프로그램이었지만, 매우 밀도를 높일 수 있는 뭔가 잊은 것을 상기시켜 주는 연주였다.

연주를 마친 뒤에도 악단원의 마지막 한 명이 소개될 때까지 박수가 그치지 않았다.

7/5(일) 밤 11시에는 TBS 계열 정열대륙 특집 프로그램 <도쿄 필하모닉 교향악단 코로나 자숙에서의 재출발>… 이 울림을 끊을 수 없을까>가 방영된다. 코로나화에서 콘서트 재개까지를 다룬 다큐멘터리다. 클래식 음악의 삶의 울림을 떠올리며 시청하고 싶다.

[Photo by K. Miura / Tokyo Philharmonic Orchestra]

The 939th Subscription Concert in Suntory Hall
June24, 2020, Wed 19:00 start (18:30open)

Conductor: Kazumasa Watanabe

Rossini: Overture to The Barber of Seville
Dvořák: Symphony No.9 "From the New World"

Presented by Tokyo Philharmonic Orchestra

新型コロナウィルスの影響で2020年3月から日本全国のオーケストラは公演中止・延期へと追い込まれたが、東京では、先陣を切って、東京フィルハーモニー交響楽団が観客を入れての定期演奏会を6月より再開した。

6月の定期演奏会は、特別客演指揮者のミハイル・プレトニョフが指揮する予定だったが、
コロナ禍でロシアから来日することが不可能となり、レジデンスコンダクターの渡邊一正が見事な代役を務めた。

3公演の最終日、6月24日のサントリーホール公演を聴いた。曲目は、ロッシーニ「歌劇《セビリアの理髪師》序曲」とドヴォルザーク「交響曲第9番《新世界より》」で休憩なしのプログラム。

感染予防のため、予め郵送された座席番号入りのハガキを見せて入場。会場内はマスク着用が必須。手を消毒し、プログラムを自分でピックアップする方式に。万一の時のために、終演後は葉書に住所・氏名・連絡先を明記して会場を後にするという念の入れよう。

演奏は、楽団員全員が、久しぶりに本物の観客の前で演奏する喜びを満たされたと形容するに相応しいものだった。観客も本物の音楽との久々の再会に心が高まり、オーケストラと客席が一体となってつくりあげる生の音楽体験のかけがえのなさを思い起こしたようだった。

アンコールなし、約1時間のプログラムだったが、非常に密度が濃い気持ちが高められる何か忘れたものを思い起こさせてくれるような演奏だった。演奏を終えた後も、楽団員の最後の1人がはけるまで拍手が鳴り止むことがなかった。

7/5(日) 夜11時TBS系列『情熱大陸』で特集番組「東京フィルハーモニー交響楽団 コロナ自粛からの再出発…この響きを絶やしてなるものか」が放映される。コロナ禍からコンサート再開までを描いたドキュメンタリー。クラシック音楽の生の響きを思い起こしながら見ていきたい。