[도쿄 리포터=토시키 아오야마] 지난 12월 2일, 마린스키 오페라 '마제파' 콘서트 형식을 산토리 홀에서 감상했다.

지휘는 1996년부터 마린스키 극장의 예술 감독과 총재를 겸임하고 있는 세계 최고의 지휘자인 발레리 게르기예프. 그는 2011년부터는 차이코프스키 국제 콩쿠르 조직 위원회 위원장도 맡고 있다.

차이코프스키 8번째 오페라 "마제파"는 "예프게니 오네긴""스페이드의 여왕"에 비하면 압도적으로 연주될 기회가 없는 작품.

게르기예프는 올 가을에 진행된 기자회견에서, 마제파는 매우 의미가 크고 중요한 오페라입니다. 오케스트레이션이 드라마틱하면서 멋지고 또한 노래도 리치하고 볼륨이 있습니다. 상연하기 어려운 오페라 중 하나인데, 특히 '마제파'는 아셔야 할 작품이라고 생각해서 선택하게 되었습니다. '마제파'를 일본 청중에게 소개할 수 있다는 것은 매우 뜻깊은 일입니다. 전부터 계속 임하고 싶었고, 오랜만에 기회가 왔습니다"라며 이번에 이 작품을 소개하는 것에 특별한 생각이 있다고 이야기한 바가 있다.

'스페이드의 여왕'이 우에노의 도쿄 문화회관에서 이틀 연속 상연된 다음날 산토리 홀에서 열린 이 공연. 합창도 오케스트라도 전날 2일간의 공연을 능가하며 더 파워풀한 상연!

마에스트로 게르기예프를 비롯한 러시아인의 대단한 체력과 마린스키의 실력을 생생히 보여주었다.

본작은 푸시킨의 서사시 "포르타바"를 바탕으로 역사화한 이야기로서, 차이코프스키에게는 희귀한 야성미 넘치는 남성적인 문구를 맛볼 수 있었다. 특히 제3막 1장 "폴타와의 싸움"의 스펙터클한 울림은 강렬하여 청중을 크게 놀라게 했다.

조연을 포함한 성악진, 합창단, 관현악단 모두 매우 고수준으로 하자가 없었고, 특히 마리야 역의 바얀키나는 맑고 당찬 미성을 선보여 청중의 눈물을 자아냈다. 3시간 이상에 걸친 연주가 짧게 느껴질 정도의 명연.

마린스키 오페라 《마제파》는 일본 오페라사에 빛나는 금자탑을 세웠다고 할 수 있으며, 평생에 한번 있을까 말까한 "마제파"의 라이브 체험이었기에, 이 자리에 있을 수 있었던 행운의 오페라 팬은 오페라의 여신에게 사랑받고 있음에 틀림이 없다. 그렇게 생각하지 않을 수 없을 정도로 귀중한 오페라 체험이 되었다.

[Photo(C)N.Ikegami]

MARIINSKY OPERA
TCHAIKOVSKY FESTIVAL 2019
General Director by VALERY GERGIEV

Opera"Mazepa"
in 3 Acts/6 Scenes(Concert Style)
Composed by Pyotr Ilyich Tchaikovsky

18:00 December 2 at Suntory Hall

Cast

Mazeppa : Vladislav Sulimsky,Baritone
Kochubey : Stanislav Trofimov,Bass
Anna Kiknadze, Mezosoprano
Maria : Maria Bayankina,Soprano
Andrei : Yevgeny Akimov,Tenor

12月2日、マリインスキー・オペラ《マゼッパ》コンサート形式をサントリーホールで聴いた。指揮は、1996年からマリインスキー劇場の芸術監督と総裁を兼務している世界最高の指揮者の一人であるワレリー・ゲルギエフ。ゲルギエルは、2011年からはチャイコフスキー国際コンクールの組織委員会委員長も務めている。

チャイコフスキー8作目のオペラ「マゼッパ」は、「エフゲニー・オネーギン」「スペードの女王」に比べると圧倒的に演奏される機会がない作品。

ゲルギエフは今年の秋に行われた記者会見で、「マゼッパはとても意味が大きく、重要なオペラです。オーケストレーションがドラマティックで素晴らしく、また歌もリッチでボリュームがある。上演するのが難しいオペラのひとつなのですが、特に『マゼッパ』は知って頂くべき作品だと思い、選びました。『マゼッパ』を日本の聴衆に紹介できることはとても意義深いことです。前からずっと取り組みたく、久しぶりにチャンスが来ました。」と今回この作品を紹介することに特別な思い入れがあると語っていた。

『スペードの女王』が上野の東京文化会館で二日連続上演された翌日、サントリーホールで行われた同公演。合唱もオーケストラも全く衰えるところがなく、衰えるどころか前日2日を凌駕したさらにパワフルな上演!マエストロ ゲルギエフをはじめとするロシア人の体力の凄さとマリインスキーの実力の程をまざまざと見せつけられた。

本作は、プーシキンの叙事詩「ポルタヴァ」を元にした歴史絵巻で、チャイコフスキーには珍しい野性味あふれるダイナミックな男性的なフレーズを味わうことできた。特に、第3幕第1場「ポルタワの戦い」のスペクタクルな響きは強烈で、聴衆を大いに驚かせた。

脇役を含めた歌手陣、合唱団、管弦楽団すべてにおいて非常に高水準で欠点がない。特に、マリヤ役のバヤンキナは清らかで張りがある美声を披露し、聴衆の涙を誘った。3時間以上にわたる演奏が短く感じたほどの名演。

マリインスキー・オペラ《マゼッパ》は、日本オペラ史に光り輝く金字塔を打ち立てた。一生に一度あるかどうかの「マゼッパ」生体験だが、この場に居合わることができた幸運なオペアファンは、オペラの女神に愛されているに違いない。そう思わざるを得ない程の貴重なオペラ体験となった。