[도쿄 리포터=토시키 아오야마] 12월 1일 마린스키 오페라 "스페이드의 여왕"을 도쿄 문화 회관에서 감상했다.

지휘는 1996년부터는 마린스키 극장의 예술 감독과 총재를 겸임하는 세계 최고의 지휘자 발레리 게르기예프.

오랜 세월 게르기예프와 함께 오페라를 만들어 온 연출가 알렉세이 스테파뉴크는 모던하고 찬란한 장치와 프랑스 로코코조를 연상시키는 화려한 귀족들의 장식 등을 구사하여 스타일리쉬하고 아름다운 무대를 창출해냈다.

가수진은 조연은 물론 합창단까지 충실하여 마린스키의 충실도, 층의 두께라는 것을 다시 한 번 실감하게 해주었다.

게르만 역의 블라디미르 가르진은 비브라트가 강한 숙련된 노랫소리로 일본 오페라 팬들을 크게 기쁘게 했다.

여성의 슬픔과 괴로움을 한 몸에 짊어지는 게르만의 연인 리자 역을 맡은 일리나 츄리로바는 아름다운 노랫소리와 확실한 연기로 관객을 취하게 했다.

상트 페테르부르크는 러시아 극장 음악의 발상지이며, 이르게도 1730년대에는 속속 궁정 오페라와 궁정 발레가 상연된 유서 깊은 역사를 가진다. 세월을 뛰어 넘는 공연이면서도 그 전통의 모든 것을 엿볼 수 있는 짜릿하고 재미 만점의 무대였다.

마린스키 가극장 관현악단의 연주하는 차이코프스키의 명작 오페라 "스페이드의 여왕"은 동 악단이 자랑하는 레퍼토리이기도 하여, 한 점의 흐림도 없는 대단한 연주였다.

마에스트로 게르기예프의 지휘는 오랜 세월 동곡을 동악단에서 지휘해 온 만큼, 곡의 억양을 붙이는 법, 북돋우는 방법이 조금도 어긋나지 않고 러시아 민족만이 가능한 매력과 뼈대의 굵기, 사납음을 곳곳에 느끼게 하는 러시안 사운드를 능숙하게 이끌어 내고 있었다.

[Photo:(C)Yutaka Nakamura]

MARIINSKY OPERA
TCHAIKOVSKY FESTIVAL 2019
General Director by VALERY GERGIEV

Opera"The Queen of Spades"
in 3 Acts/7 Scenes
Composed by Pyotr Ilyich Tchaikovsky

15:00 December 1 at Tokyo Bunka Kaikan

Cast

Herman:Vladimir Galouzine, Tenor(12/1)
Liza : Irina Churilova, Soprano
Count Tomsky : Vladislav Sulimsky,Baritone
Prince Yeletsky : Roman Burdenko,Baritone
Countess : Anna Kiknadze, Mezosoprano

12月1日マリインスキー・オペラ「スペードの女王」を東京文化会館で観た。
指揮は、1996年からはマリインスキー劇場の芸術監督と総裁を兼任している世界最高の指揮者の一人であるワレリー・ゲルギエフ。

長年ゲルギエフと共にオペラを作り上げてきた演出家アレクセイ・ステパニュクは、モダンで煌びやかな装置と、フランス・ロココ調を思わせるような華やかな貴族たちの装飾などを駆使し、スタイリッシュで美しい舞台を創出した。

歌手陣は、脇役はもとより合唱団まで充実しており、マリインスキーの充実度、層の厚さといったものを改めて実感させてくれた。

ゲルマン役のウラディーミル・ガルージンは、ヴィブラートが強い熟練した歌声で日本のオペラファンを大いに喜ばせた。女性の哀しみと苦しみを一身に背負うゲルマンの恋人リーザ役の演じたイリーナ・チュリロワは、美しい歌声と確かな演技で観客を酔わせた。

サンクトペテルブルグはロシア劇場音楽発祥の地であり、早くも1730年代には続々と宮廷オペラと宮廷バレエが上演されていた由緒ある歴史を持つ。引っ越し公演ということもあり、その伝統のすべてを垣間見ることができるようなドラマティックで見ごたえ満点の舞台であった。

マリインスキー歌劇場管弦楽団の演奏は、チャイコフスキーの名作オペラ「スペードの女王」で同楽団得意中の得意のレパートリーということもあり、一点の曇りもないさすがの演奏であった。マエストロ ゲルギエルの指揮ぶりは長年同曲を同楽団で指揮してきただけあって、曲の抑揚のつけ方、盛り上げ方が寸分の狂いもなく、ロシア民族ならではの魅力=骨太さ・荒々しさを随所に感じさせるようなロシアン・サウンドを上手に引き出していた。