[토시키 아오야마] 지난 4월 10일 신국립극장 오페라의 더블 빌  공연 『 피렌체의 비극 』/『 잔니 스키키 』(새 제작)를 신국립극장 오페라 팰리스에서 감상했다.

페렌체의 비극

신국립극장 오페라 부문 오노 가즈시 (大野和志) 예술감독이 내놓은 더블 빌딩 시리즈의 첫 편으로서 2년에 한번 2개의 오페라를 동시에 감상하려는 시도이다.

페렌체의 비극

첫해에 거론되는 쳄린스키의 "피렌체의 비극"과 푸치니의 "잔니 스키키"는 작품의 무대가 함께 이탈리아의 고도인 피렌체이지만, 전자가 "비극"으로, 후자는 "희극"이라는 정반대의 의미를 가지는 이야기를 배치한 점이 실로 흥미 깊었고, 예술 감독의 지휘의 능숙함과 아울러 훌륭한 센스가 돋보였다.

잔니 스키키

전반에는 "피렌체의 비극", 후반에는 "잔니 스키키"가 공연된 가운데 가수진이 충실했다.

잔니 스키키
잔니 스키키

특히 "잔니 스키키"를 노래하는 카를로스 알바레스의 가창력이 압도적이었으며 라우레타의 스나가와 료코도 가련하고 투명감 넘치는 가성을 선보였다.

잔니 스키키

잔니 스키키는 무대장치 또한 훌륭하여 비스듬히 펼쳐진 서재가 무대이고, 거대한 저울과 시계 그리고 편지 등이 배치되어 있었다. 유산을 두고 우왕좌왕하는 보잘 것없는 인간의 추태를 코믹하게 풀어내면서 오페라 팬 보다는 오히려 뮤지컬 팬이나 아이들에게 보여주고 싶은 무대 연출이었다.

잔니 스키키

연주는 동경 필하모닉 교향악단. 느긋하게 노래하는 듯한 부드러운 연주로 오페라의 매력에 색조를 더했다.

[Photo- Masahiko Terashi/New National Theatre, Tokyo 2019]

4月10日、新国立劇場オペラのダブルビル公演『フィレンツェの悲劇』/『ジャンニ・スキッキ』(新制作)を新国立劇場オペラパレスで観た。新国立劇場オペラ部門大野和志芸術監督が打ち出した「ダブル・ビル」シリーズの第一弾。二年に一度、2つのオペラを一日で見てしまおうという試みだ。

初年度に取り上げられるツェムリンスキーの「フィレンツェの悲劇」とプッチーニの「ジャンニ・スキッキ」は舞台が共にイタリアの古都フィレンツェだが、前者が「悲劇」で、後者は「喜劇」。正反対の意味を持つ物語を配置するところが実に興味深く、芸術監督の采配の上手さとセンスの良さを感じた。

前半に「フィレンツェの悲劇」、後半「ジャンニ・スキッキ」が上演された。 歌手陣が充実していた。ジャンニ・スキッキを歌うカルロス・アルバレスの歌唱力が圧倒的。ラウレッタの砂川涼子も可憐で透明感溢れる歌声を披露してくれた。

「ジャンニ・スキッキ」の舞台装置はこれまた素晴らしい。斜めに拡大された書斎が舞台となっており、巨大な天秤や時計や手紙などが配置されている。遺産を巡り、右往左往する小さい人間の醜態をコミカルに楽しく表現している。オペラファンというより、むしろミュージカルファンや子供達に見てもらいたい舞台演出である。

演奏は東京フィルハーモニー交響楽団。のびのびと歌い上げるような柔らかな演奏で、オペラの魅力に彩りを添えた。